山間に住む羊飼いの夫婦
イングヴァルとマリア。
ある日、二人が羊の出産に立ち会うと、
羊ではない何かが産まれてくる。
子供を亡くしていた二人は、
"アダ"と名付け
その存在を育てることにする。
奇跡がもたらした"アダ"との家族生活は
大きな幸せをもたらすのだが、
やがて彼らを破滅へと導いていく—。
話題作を次々と世に送り出す気鋭の製作・配給会社「A24」が北米配給権を獲得し、カンヌ国際映画祭で上映されるやいなや観客を騒然とさせた衝撃の話題作がついに日本上陸!
ある日、アイスランドで暮らす羊飼いの夫婦が羊の出産に立ち会うと、羊ではない“何か”の誕生を目撃する。2人はその存在をアダと名付け育て始めるが——。
主演・製作総指揮を務めるのは『プロメテウス』、『ミレニアム』シリーズで知られるノオミ・ラパス。監督は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などの特殊効果を担当、本作が長編デビューとなる北欧の新たな才能ヴァルディミール・ヨハンソン。衝撃的な設定の中にもリアリティを持った世界観を構築したことで世界から称賛を浴び、第74回カンヌ国際映画祭のある視点部門で《Prize of Originality》を受賞、アカデミー賞®国際長編部門アイスランド代表作品にも選出されるなど批評家からも高い評価を受けた。
その存在はなぜ産まれてしまったのか?前代未聞の衝撃展開が、あなたの想像力を刺激するー。
山間に住む羊飼いの夫婦
イングヴァルとマリア。
ある日、二人が羊の出産に立ち会うと、
羊ではない何かが産まれてくる。
子供を亡くしていた二人は、
"アダ"と名付け
その存在を育てることにする。
奇跡がもたらした"アダ"との家族生活は
大きな幸せをもたらすのだが、
やがて彼らを破滅へと導いていく—。
1979年12月28日生まれ、スウェーデン・フディクスバル出身。アイスランドで育ち、7歳の時に『エネミーランド』(88)で女優としてのキャリアをスタートさせた。その後20本以上の映画やドラマシリーズに出演、2009年にはスティーグ・ラーソン原作の『ミレニアム』3部作の映画化で主人公リスベットを圧倒的な存在感で演じ、世界的に高い評価を得た。主な作品に、『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(11)、『プロメテウス』『パッション』(ともに12)、『ミレニアム』シリーズ以来にニールス・アルデン・オプレヴ監督と再会した『デッドマン・ダウン』(13)、『チャイルド44森に消えた子供たち』(15)、『アンロック/陰謀のコード』『エイリアン:コヴェナント』『セブン・シスターズ』『ブライト』(いずれも17)、『ストックホルム・ケース』(18)、『アンストッパブル』・Netflix『クロース:孤独のボディガード』・Amazon「トム・クランシー/CIA分析官ジャック・ライアン」シーズン2(いずれも19)、Netflix『ザ・トリップ』(21)、Netflix『ブラック・クラブ』(22)などがある。最近では、2022年2月に日本公開された『マヤの秘密』(20)で製作としても参加し、本作でも主演兼製作総指揮を務める。その他の新作に、『Assassin Club(原題)』、アカデミー賞®︎にノミネートされたトム・ヴァン・アバルマエト監督の短編「Hearts of Stone(原題)」(ともに22)が続く。
1969年1月24日生まれ、アイスランド・レイキャビク出身の俳優、声優。1994年にアイスランド芸術アカデミーを卒業。その後50本を超えるアイスランドの映画、テレビシリーズに出演し、国立劇場上演舞台作品にも多数出演するなどアイスランドを代表する俳優として長年活躍している。アイスランドのアカデミー賞にあたるエッダ賞6部門受賞作『Mávahlátur(英題:The Seagull’s Laughter)』(01)で助演男優賞を、同賞7部門受賞作『Brúðguminn(英題:White Night Wedding)』(08)では主演男優賞を受賞した。その他の出演作に、各国映画祭で計14の賞を獲得した『エンジェル・オブ・ザ・ユニバース』(00)、アイスランドでは同年公開作『アバター』と競り合う大ヒットを記録した『マンマ・ゴーゴー』(10)、本国初登場第1位を記録した『ディール・ブレイク』(14)、『ホワイト、ホワイト・デイ』『たちあがる女』(ともに19)、『氷の愛撫』(20)などがある。
1974年12月8日生まれ、アイスランド・レイキャビク出身の俳優、作家、監督。2001年、アイスランド・ドラマ・アカデミーを卒業。国際的に知られるアイスランドの演劇集団Vesturportに一員として数々の舞台作品に出演、「ファウスト」「The Housewife(原題)」では出演者兼共同脚本を務めた。映画・テレビシリーズの監督、脚本家としても活躍し、短編映画「Korriró(原題)」(11)、長編映画『Blóðberg(英題:Homecoming)』(15)、テレビシリーズ「Verbúðin(英題:Blackport)」(21)などを手がけた。エッダ賞(アイスランド・アカデミー賞)には俳優、脚本家として5度のノミネーション歴があり、2020年には『Agnes Joy(原題)』(19)で助演男優賞を受賞した。その他の出演作に『イレブン・メン・アウト』(05)、『湿地』(06)、「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」(13)、「トラップ 凍える死体」(15,16)、「フォーティチュード/極寒の殺人鬼」(15~18)、『2バッドコップス』(21)などがある。
1978年、アイスランド北部生まれ。『父親たちの星条旗』(06)、「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン2(12)、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)、『トゥモロー・ウォー』(21)等、数々の映画やテレビシリーズで美術、特殊効果、技術部門を担当し、20年以上にわたりアイスランド映画界で活躍している。2013年から2015年にかけては、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエヴォ科学技術大学で開講されたタル・ベーラ監督による映画製作の博士課程に在籍、ティルダ・スウィントン、ガス・ヴァン・サント、カルロス・レイガダス、アピチャッポン・ウィーラセタクンらの指導を受け、在学中に本作の構想に着手した。初の長編映画である『LAMB/ラム』で第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門「Prize of Originality」を受賞した。その他監督作としては短編映画『Harmsaga(原題)』(08)、『Dawn(原題)』(12)などがある。2022年5月には米大手エージェンシーCAA との契約締結を発表するなど、今後世界での活躍が最も期待される新鋭監督の一人。
1962年8月27日、アイスランド・レイキャビク出身の作家、脚本家。今作ではヨハンソンと共同で脚本を手がけた。2005年、小説「Skugga-Baldur(青いきつね)」で北欧評議会文学賞を受賞するなど、小説や詩集で数々の賞を受賞し、現在著作が35カ国語に翻訳されている国際的に著名な作家でもある。2001年には『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(00)の劇中歌でラース・フォン・トリアー監督、ビョークと共同でアカデミー賞にノミネートされた。北欧評議会の映画賞の審査員やストックフィッシュ映画祭の理事を務めるほか、2012年からは、レイキャビクのアートハウス映画館Bíó Paradísのカルト&クラシックプログラム「Black Sundays」のキュレーションチームを務めている。最新作はロバート・エガース監督と共同執筆したバイキングの復讐劇「The Northman(原題)」(22)。現在、『ボーダー 二つの世界』のアリ・アッバシ監督とハムレットの映画化に取り組んでいる。
軍事フォトジャーナリストとしてキャリアをスタートさせ、その後商業映画分野に転向した。米映画学校AFIコンサバトリーを卒業し、現在は映画制作に情熱を注いでいる。16mmや35mmで撮影することを好み、その独特なスタイルは、CMやファッション業界の第一人者たちからも注目を集め、エイサップ・ロッキー、マーク・ロンソン、リッキ・リーらのミュージックビデオを撮影、モデルのキム・カーダシアン、ナオミ・キャンベル、カイア・ガーバーらとともにファッションブランドでの仕事もこなすなど頻繁にセレブリティらとコラボレーションを行なっている。現在、Netflixでバルタザール・コルマウクル監督の「トラップ 凍える死体」シーズン3の撮影に取り組んでいる。
1975年11月30日、ポーランド・ワルシャワ出身。ワルシャワ大学で歴史と映画理論を学び、その後ワルシャワのウッチ映画大学で編集を学ぶ。ポーランド編集者協会(PSM)、ポーランド映画アカデミー(PAF)、ヨーロッパ映画アカデミー(EFA)のメンバー。2015年ポーランド映画祭において、イエジー・スコリモフスキ監督の『イレブン・ミニッツ』(08)とマグヌス・フォン・ホーン監督の『波紋』(15)で最優秀編集賞を受賞した。2017年には『祝福〜オラとニコデムの家〜』(16)を手がけ、欧州ドキュメンタリー賞を受賞、アカデミー賞の最終候補となった。最新プロジェクトであるマグヌス・フォン・ホーン監督作『スウェット』(20)は、2020年のカンヌ映画祭に選出されるなど、世界中で数多くの賞やノミネートを獲得している。
アイスランド、レイキャビク出身の作曲家、ギタリスト。アイスランド芸術大学でクラシック作曲コースを卒業し、自身のメタルバンドAgent Frescoと故ヨハン・ヨハンソンのツアーミュージシャンとして活動してきた。これまでヨハンソンとは様々な映画で協力しており、その他著名アーティストのアレンジや作曲家アシスタントとして活躍してきたが、本作は単独作曲家として初のクレジットとなる。代表的な参加作品に、オスカーを受賞した姉のヒドゥル・グドナドッティルによる『ジョーカー』(19)、BAFTAを受賞したオーラヴル・アルナルズによる「ブロードチャーチ〜殺意の町〜」(15)、Netflixシリーズ「カトラ」(21)などがある。
アイスランド・レイキャビク出身。制作会社Go to Sheepのオーナー兼CEO。娘のサラ・ナシムとともに、夫ヨハンソン監督初の長編作となる本作のプロデュースに参加した。1985年から1989年までベルリン自由大学で文学と演劇を学び、1991年にハリウッドのコロンビア・カレッジで映画を学ぶ。さらび1995年にアイスランド大学で実践的なジャーナリズムの学位を取得、1998年のEuropean Audiovisual Entrepreneurs(EAVE)においてメディアプログラムを修了している。1997年以来、アイスランドおよび国際的な映画産業で活躍し、20本以上の映画のプロデュースおよび制作に携わってきた。アイスランドのアートセンターWIFTの創設メンバーの一人であり、2007年から2012年までアイスランド・プロデューサー協会の理事を務め、2005年から2007年までは北欧評議会映画賞の審査員を務めた。また、2001年に『Ikíngut(原題)』でエッダ賞production賞を受賞している。
アイスランド人の母とペルシャ人の父の間に生まれ、アイスランドで育った。今作は母フレン・クリスティンスドティアとともにプロデューサーとして参加した。「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン2(12)やダーレン・アロノフスキー監督の『ノア 約束の舟』(14)のアイスランド・ユニットでプロダクション・コーディネーターを務めるなど、幅広い経歴を持つ。2013年にロサンゼルスに移り、アメリカン・フィルム・インスティテュートに参加、在学中に数多くの短編映画をプロデュースした。2018年、自身が制作したティエラ・ワックの「Mumbo Jumbo」のミュージックビデオでグラミー賞にノミネートされた。ビョーク「the gate」のMVや短編映画『Kiss of the Rabbit God(原題)』(19)をアンドリュー・トーマス・ホワン監督とともに手掛けたほか、グリームル・ハゥコーナルソン、グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン、ルーナ・ルーナソンといったアイスランド人映画監督らと仕事を共にしてきた。現在アイスランドとロサンゼルスを行き来しながら、インディペンデント長編映画の開発・プロデュースを行っている。
※順不同・敬称略。
ホラーにジャンル分けするべきなのか?としばし考えたのですが、やはりホラーだ。と結論に至りました。
頭と体、それから心。三つがねじれてソワソワするけど、結局みんなアダちゃんにメロメロ。
アイスランドの無垢な大自然と不穏な白夜。飼い犬。飼い猫。3人の登場人物。そして羊。他にも“何か”がいる?
台詞と説明を排除した演出が、我々を白濁した恐怖の“澱”に閉じ込める。最後に明かされる白日夢の“かたち”は、観る者によって解釈は異なる。ただ胎内に入り込んだ“説話”は消化出来ず、何度も繰り返し咀嚼する事になる。
観客を反芻動物(LAMB)に変えてしまう映画。
『人並みの幸せを手にしたかった』いたって自然な欲望を持つ夫婦の生活は徐々に不穏さを纏っていきます。
クライマックスで「あっ!」と声が漏れた。この世の摂理を見せつけられた。
是非、劇場で確認してほしいです。
奇妙な設定とは対照的に、リアルに描かれる親たちの感情。
こんなに型破りな親子の物語は今までに見たことがありません。
反芻せよと羊が僕に訴える。拒みたい。眠れなくて君を数えたのに、繰り返せと君が言うのか。
そういう悪夢から目覚めたあとの、疲れのような、解放のような、映画だった。
どんな状況であれ 子を授かることは
天使の贈り物と思ってきた
その存在は 柔らかく愛おしく
なにより手を差し延べるべき存在
誰が見捨てようか 彼らが迷うことなく
受け入れたように きっと私も
恐れながらも同じように受け入れただろう
しかしこれは天使の贈り物ではなかった
天使の物よりもずっとずっと魅惑的な
悪魔の贈り物だった
神話のようでもあり、聖書のようでもあり、おとぎ話のようでもある。
物語の原型をそのまま提示されたかのような、不純物の存在しない静謐な映画。
不気味で、おぞましく、美しい。
辺境の地で絶えざる哀しみに身を焼く夫婦のもとに訪れたのは『異形のキリスト』だった。彼がふたりに与えるのは福音かそれとも更なる煉獄か――。
アイスランドを舞台に展開される諸星大二郎的神話ホラーの秀作!
捻れた狂気に笑うしかない!
近年、アイスランド映画は底意地の悪い傑作を世界に発信し続けてきたが本作はその決定打だ。
一見シンプルなストーリーに深淵を覗いたとき、見世物小屋が「人間の罪」という絶望を放つ。
大自然の中で育つアイスランドのラムはクセがないらしい。だが、この映画はクセになる。
恐ろしいのは異形のものより、人間の傲慢さ。人が侵してはならない領域を突きつけられた気がした。
とにかくアダが愛おしく、幸せを願わずにはいられなくなる。
家族の物語であり、喪失を埋めようとする生き物の強欲さ、奪い合いの暴力を描いた物語でもある。
斬新だが普遍的な作品だ。
非現実的で不思議なことがとても現実的に描かれていて、途中までの幸せそうなお話と最後のギャップがびっくりして恐怖を感じました。
でもアダがかわいくて、羊がモチーフの私たちだからちょっと似ているかなと思ったり…
次はメンバーと見てみたくなりました!
RaMuがLAMB 観ないでどうすんだ!
白夜と不気味な生命体。ほとんどセリフの無い不穏な空気。人がジワジワ不快に思う要素盛りだくさん!
見終わった後、考えれば考えるほど自分の中で作品の捉え方が変わってくる感覚がかなり心地いい。
ノオミ・ラパスはこの手の映画が似合うなぁ。
サラエボで共に3年間学んでいた間、ヴァルディは辛抱強くひとつの映画に取り組んでいた。
あの頃から10年、その作品がついに完成し日本にやってきた。
劇中、ヴァルディの故郷であるアイスランドの広大な自然に意思さえ感じる。
それは人知を超え、アダ(子羊?)をもたらし、人間たちを翻弄する。