Story
戦争によって国家が分断された
近未来のアメリカで
国をあげて開催される競技“ロングウォーク”。
ただひたすらに歩き続けるだけで
破格の賞金と願いを1つ叶える権利を
獲得できるこの祭典に、
選ばれし50人の若者が挑戦する。
「時速4.8kmをキープすること」
「速度を下回り警告を受けないこと」
「最後の一人になるまで歩き続けること」
この勝者になる為のルールの裏に、
休息も睡眠も救いも存在しない。
3つ警告を受けると即死の状況下で臨む、
地獄の一本道の先に待ち受けるのは
希望か、絶望か——




























Director's Comment
20年以上前、初めて「ロングウォーク」を読んだ時に“若者たちが歩き続ける”というそのシンプルな内容に、恐ろしさと同時に強い人間味を感じました。それ以来この物語を何度も頭の中で反芻し、これをスクリーンで描くとはどういうことか?と考え続けてきました。
そんな中 “歩くか死ぬか”という刺激的なコンセプト以上に私の心に残り続けたのは、歩く者たちの間に生まれる友情でした。彼らは競争相手であるにも関わらず、否応なく心を通わせて正真正銘の絆を築いていく。極限状況下での彼らの絆は真の人間の姿をあぶり出し、それが観客の心をも掴むのだと。そして私たち観客は一歩一歩、少年たちと同じ場所に立って疲労や恐怖、そして束の間の希望を体感し、1967年にベトナム戦争の寓話として書かれたはずのこの作品を、今の現実の話でもあると感じるのです。スティーヴン・キングの小説がこれほど強烈な鑑賞体験を与え続けてきた理由。忘れがたい登場人物、容赦ない展開、そして「私たちは何者で、何を大切にするのか」という居心地の悪い問いかけ、それら全てを映画にすることを目指しました。
観客の皆さんには、ただ目の前で起きたことについてだけではなく自分たちが生きている世界についても考えながら、劇場を後にしてくれることを願っています—