TRAILER

監督を務めたのは、本作が長編初監督となるロブ・ジャバズ。大のホラー映画好きでもある彼は、様々な名作ホラーからインスピレーションを得て、パンデミックを経験した後の世界で目を背けたくなるような暴力が横行するという、決して絵空事とは言い切れない衝撃的な映画を創り上げた。そんな本作は、徹底されたゴア描写とスリル満点のストーリーテリングが話題を呼び、ジャンル映画の権威であるシッチェス・カタロニア国際映画祭のMidnight X-Treme部門に正式出品されたほか、ファンタジア国際映画祭では初監督作品を対象とするNew Flesh Award for Best First Feature部門で最優秀映画賞を受賞するなど、各国の映画祭を席巻。2021年1月の本国公開以降、米映画レビューサイトRotten Tomatoesのスコアも95%フレッシュ(2022/4/1現在)と高い評価で推移し続けている。観るものの感情を大きく揺さぶる、容赦なきエクストリーム・ホラーがついに日本へ上陸した。

謎の感染症に長い間対処し続けてきた台湾。専門家たちに“アルヴィン”と名付けられたそのウイルスは、風邪のような軽微な症状しか伴わず、不自由な生活に不満を持つ人々の警戒はいつしか解けてしまっていた。ある日、ウイルスが突然変異し、人の脳に作用して凶暴性を助長する疫病が発生。感染者たちは罪悪感に涙を流しながらも、衝動を抑えられず思いつく限りの残虐な行為を行うようになり、街は殺人と拷問で溢れかえってしまう。そんな暴力に支配された世界で離ればなれとなり、生きて再会を果たそうとする男女の姿があった。感染者の殺意から辛うじて逃れ、数少ない生き残りと病院に立て籠もるカイティン。彼女からの連絡を受け取ったジュンジョーは、独りで狂気の街を彷徨い始める。

CAST

レジーナ・レイ

カイティン役

2000年2月5日生まれ、台湾出身のモデル・俳優。オーディションの際、監督は元々カイティン役に30歳前後の女性をイメージしており、演技の経験も浅い彼女にそこまで期待していなかったが、彼女の怖がる演技を見るや否や「彼女の泣き顔を見れば観客がスクリーンに手を伸ばして助けたくなるはずだ!」と考えを改めてオファーを決めたという。出演作として、「76 Horror Bookstore(英題)」(20)、「Love Is Science?(英題)」(21)など。

ベラント・チュウ

ジュンジョー役

1999年4月4日生まれ、台湾・台中市出身。デビュー間もなく『運命のマッチアップ』(19)で世界有数の映画祭である台湾映画祭の最優秀新人賞と最優秀助演男優賞にノミネート、「The Magician on the Skywalk(英題)」(21)では金鐘獎にもノミネートされるなど、今台湾で最も注目を浴びる若手俳優の1人。オーディションではプロデューサーが彼の顔を見るなりキャスティングを切望した。その他の主な出演作品は『How to Train Our Dragon(英題)』(18)、「追撃者~逆局~」(21)など。

ジョニー・ワン

“ビジネスマン”役

1967年4月11日生まれ。TVドラマ・映画を問わず活躍するベテラン俳優であり、「It's Drizzling(英題)」(14)では金鐘獎の助演男優賞にノミネートされた実績を有する。台湾の気鋭チェン・ユーシュン監督が手掛けた『祝宴!シェフ』(13)や『1秒先の彼女』(20)などの日本公開作品にも数多く出演。2021年には『馬三家からの手紙』(18)などで知られるドキュメンタリー映画の名匠レオン・リー監督の新作「Unsilenced(英題)」にも出演した。その他の主な出演作品は『運命の死化粧師』(11)、『屍憶 -SHIOKU-』(15)、『まごころを両手に』(16)など。

ラン・ウエイホア

ウォン・ジャンリアン博士役

1979年1月7日生まれ。2004年に「Wintry Night II(英題)」で金鐘獎にノミネートされて以降、計6回同賞へのノミネート実績を有し、その内、「The Black Box(英題)」(16)と「Where the Sun Don't Shine(英題)」(18)では2度の受賞に輝く実力派俳優。その他の出演作に『High Flash ~引火点』(18)、「The Mirror(英題)」(19)、『君が最後の初恋』(21)など。

ラルフ・チウ

リンさん役

広告オーディションを手伝った際にそのモデルとして起用されて芸能界入りを果たすという異例のキャリアを持つ俳優。2011年、台湾で社会現象を巻き起こした不朽の名作『あの頃、君を追いかけた』に出演し、さらに「Mr. Bedman(英題)」でマカオ国際映画祭の最優秀俳優賞と最優秀新人賞にノミネートされて脚光を浴びる。その他の出演作に「イタズラな恋愛白書 ~In Time With You~」(11)、『台北セブンラブ』(14)、「Happy Dorm(英題)」(16)など。

アップル・チェン

シェン・リーシン役

広告やMV、舞台に映画など多岐に活躍するマルチタレント。出演作に、『大いなる餓え』(19)、「Leaving Virginia(英題)」(20)、「Wrath of Desire(英題)」(21)など。

STAFF

監督・脚本・編集

ロブ・ジャバズ

台湾在住、カナダ出身の映画監督・アニメーター。元々映画での表現に興味があったが、実写映画には多くのリソースが必要な一方、アニメーションでは無名でも自分の技術で完結できることが多い点に魅力を感じ、独学でアニメ技術を学びキャリアをスタートさせた。台湾に移住後、フリーランスとしてオリジナル短編アニメ「Great Daena: Act One(原題)」や、アジアを代表する電子音楽家Howie Leeの「Bei Hai」MVなどを手掛け、業界内での知名度を着実に広げる。2020年、念願の実写コンテンツ参入の第一歩として短編映画「Clearwater」(原題)を制作。台湾のプロダクション Machi Xcelsior Studiosはその完成度の高さを評価し、彼と組んで本作を製作することを決断した。ジャバズ初の長編映画となった本作は、容赦の無い残虐表現とクオリティの高さが瞬く間に話題となり、ジャンル映画の権威であるシッチェス・カタロニア国際映画祭のMidnight X-Treme部門に正式出品されたほか、ファンタジア国際映画祭では初監督作品を対象とするNew Flesh Award for Best First Feature部門で最優秀映画賞を受賞するなど、各国のジャンル系映画祭を席巻。一躍、今後の動向から目が離せない新世代のホラー監督として注目されることとなった。

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