ペットシッターのアルバイトで、人里離れた豪邸を訪れた盲目の少女ソフィ。視覚障がいを逆手に取り、金目のものを盗み出そうとしていた。ところが日没後、武装強盗が屋敷内に侵入する。目的は、壁に隠された巨大な金庫だ。命の危険を感じたソフィは、視覚障がい者サポートアプリ《シーフォーミー》を起動し、元軍人でFPSゲームの熟練プレーヤーのケリーに助けを求める。圧倒的に不利な状況下、侵入者の攻撃から身をかわしていくも、バッテリー残量は容赦なく減っていき…。ケリーの“目”を失った時、ソフィが生き残る方法はあるのか——!?
人里離れ、雪に閉ざされた豪邸。視覚に障がいがあるひとりの少女がそこに滞在し、猫の世話をすることになる。ところが夜闇にまぎれて忍び寄り、屋敷内に侵入する男たちの影が。目的のためには殺人を厭わない闇の請負人である。武器ひとつ持たないまま、圧倒的多数の強盗集団に立ち向かう盲目の少女。果たして、彼女に生き残る道はあるのか……?
一見すると、ジャンル映画好きの心を沸かせる、いわば鉄板の舞台設定である。だが本作ではここに、ある明確な必然性を持つ要素が導入される。それが、タイトルにもある視覚障がい者サポートアプリ《シーフォーミー》だ。スマートフォンにインストールし起動すると、ビデオ通話がはじまり、映像を通してサポートが受けられるというシステム。主人公である盲目のソフィは、このアプリを通じてケリーと出会う。そして、FPSゲームの熟練プレーヤーかつ元軍人という彼女は、遠隔地にいながらにしてソフィの力強い味方となる。スマートフォンのカメラを通して敵と対峙する映像や、まるで2次元のキャラクターのようにケリーの指示に従い行動するソフィの姿は、FPSゲームそのもの。もちろん、戦闘においてはケリーの持つ豊かなチームプレイ経験も活きる。
とはいえこのソフィというヒロイン、けっして“か弱い女性”でもなければ一方的な“被害者”でもない。ダウンヒルスキーヤーとしてオリンピックに出場するという夢の半ばで視力を失った彼女は、なにがなんでも自分ひとりの力で現実に立ち向かおうとする強烈な闘士を内側に秘めているのだ。だから、安易に他人の助けにすがることはせず、むしろそれを退けながら生きている。そのためには手段を選ばず、障がい者のイメージを逆手にとることで金目のものを盗み出すという、したたかな企みを実行に移すことも。このように、ソフィというヒロインの人物造形は、ステレオタイプな障がい者像とは大きく一線を画す。それゆえに、彼女はおとなしく指示に従うばかりではない。時には予想のつかない行動に出て、ケリーを振り回す。それによって状況は複雑化し、物語のテンションはいやがおうにも高まっていく。
本作のリアルな緊迫感を支えているのはこうした設定要素だけではない。ヒロインを演じるスカイラー・ダベンポート自身が、成人後に視力を喪失した視覚障がい者なのである。ソフィの人格や行動、アクションに、ご都合主義がないのはそのためだ。こうして、ジャンル映画としてはおなじみの導入部に気を許し、いわば山荘に侵入する男たちとおなじように油断したままスクリーンを眺めていると、次から次へとくり出される意外でありながらも地に足の着いた展開に肝を冷やすことになる。現実世界では、いつでも思いもよらないことが起こり得る。そんなあたり前の事実を、ラストシーンにいたるまで痛く思い知らされ続けるのだ。リアルに描き出される世界で、追いつめられるソフィが生き延びる可能性はあるのか——?
1992年5月22日、アメリカ、ウィスコンシン州出身。ノンバイナリーのパフォーマー。2012年、きわめて稀な疾患である片麻痺性偏頭痛の発作により視力を喪失。だがこの困難にも屈することなく、社会の定義する“障がい者”という枠組みに押し込められることを拒み、またそのステレオタイプを突き崩すことも目指しながら、幼い頃からの夢へと足を踏み出した。本作『シーフォーミー』が初主演作品となるが、これまで数多くのアニメ作品やビデオゲームの吹き替えなどを担当してきている。
1984年10月3日、カナダ、カルガリー出身。長篇映画の出演作には、『50/50 フィフティ・フィフティ』(2011年)、『ミッシング・ガール』(2017年)、『カムガール』(2018年)などがある。テレビシリーズは、『シークレット・サークル』、『新ビバリーヒルズ青春白書』、『THE FLASH/フラッシュ』など。カリブ海系の血筋を引く歌手でもある。
イギリス、ロンドン出身。王立演劇学校で学ぶ。2011年からはトロント在住。1999年以来、数多くの作品に出演している。テレビシリーズには、『REIGN/クイーン・メアリー』、『Bitten -わたしを愛した狼-』、『SUITS/スーツ』、『KILLJOYS/銀河の賞金ハンター』、『マードック・ミステリー 刑事マードックの捜査ファイル』などがある。また、『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』、『アサシン クリード』などのビデオゲームでは、声の出演をしている。
1976年1月1日、カナダ、オンタリオ州出身。100本以上に及ぶ出演作のうち長篇映画は、『ザ・ウォーカー』(2010年)、『パシフィック・リム』(2013年)、『ルーム』(2015年)など。テレビシリーズには、『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』、『ゴッドレス -神の消えた町-』、『エクスパンス~巨獣めざめる~』などがある。
1980年6月27日、カナダ、オンタリオ州出身。スタントマンとして数年のキャリアを積んだのち、ニューヨークのステラ・アドラー演劇学校を卒業。テレビシリーズ出演作は、『サバイバー: 宿命の大統領』、『Tin Star -もう一人の俺-』、『ザ・コミー・ルール 元FBI長官の告白』、『エクスパンス~巨獣めざめる~』など。長篇映画の出演作には、『俺たち喧嘩スケーター』(2011年)、『アンチヴァイラル』(2012年)などがある。
1958年2月21日、カナダ、サスカチュワン州出身。30年以上のキャリアを持ち、テレビシリーズ『サンズ・オブ・アナーキー』へのレギュラー出演でよく知られている。長篇映画の出演作品は、『ブラックホーク・ダウン』(2001年)、『サイレントヒル』(2006年)、『ファンタジー・アイランド』(2020年)など。
カナダ、カルガリー出身の日系カナダ人映画監督。日本、バンクーバー、トロントを拠点に活動している。監督として手がけた長篇劇映画には、犯罪にかこまれた生活環境から脱出しようとあがくティーンエイジャーの姿を描く『The Lockpicker』(2016年/未)と本作『シーフォーミー』(2021年)がある。このほか短編ドキュメンタリー作品も多数。その中には、第二次世界大戦前にカナダに移住した日本人たちの困難を、VR技術を用いて追体験させる「The Book of Distance」(2020年)などの作品が含まれる。パフォーマンス、彫刻、映画、デジタルメディアなど多様な表現領域を縦断するアーティストでもあり、2018年には、カナダ大使館高円宮記念ギャラリーにおいて、個展『間の場所』が開催された。
山奥の豪邸×強盗×盲目の少女
元軍人でFPSゲームの熟練プレーヤーがビデオ通話で彼女をサポートするもののあらゆる助けを拒み 独立心が高く頑固な彼女はせっかくのサポートを時にガン無視
事態はよりスリリングな方向へと転がっていく
カネに目の眩んだ人間たちの騙し合いと殺し合いの緊迫感に引き込まれた
目の見えない主人公、ハンデを背負っているのにすごく気が強くて、すごくかっこいい!物語はとてもシンプルなようで結構複雑に入り組んでいて途中はもう誰に肩入れしていいのかわからなくなってしまうほどのストーリー!
アプリを使って目の見えないソフィを操るFPSゲームの達人ケリー!これはFPSゲーム好きの人間はめちゃくちゃ興奮する事ごいごいすー!この映画の複雑な人間関係すーすすー!
一筋縄ではいかないソフィの癖の強さにすーを差し上げます!
愛せる?ギリ愛せない?!
やさぐれた魂と強烈な自立心との狭間で、倫理ラインが揺らぎっぱなしのヒロイン像が斬新。
彼女の思わぬ方向への覚醒に、終始ザワザワが止まらない!
盲目の主人公ソフィーの大胆な性格にハラハラしたり、FPSの要素を取り入れたシーンは息を飲んで見守っていました。
他人の目を信じる難しさなど、 この題材でないと知る事の出来無いもどかしさや人間の強さを感じました。
自分自身と葛藤しながら過ごす日々。信じられるものが何ひとつとないなか、文字通り手探りで恐怖に立ち向かう盲目のソフィ。アプリを通して育っていく儚い信頼関係を頼りに正解か不正解わからない選択をして行く。
思い切るごとに不思議と人生が前進して行く感覚。この映画でしか体感できないスリルと勇気を味わって欲しい。
盲目の少女をゲーマーがスマホのアプリを通して救済する新感覚スニーキングホラー!確かにゲーマーは指示出しが適格だよな!と納得する展開でFPSゲーマーの私もにっこり。
ハラハラする臨場感とサイコーなスリルを味わえる映画間違いなし!
ゲーマーは特に必見だよ!
盲目の少女が対峙する修羅場の数々は、我々までもが目隠しされ視界を奪われてしまったかのようなサバイバルぶり。
ジャンル映画に独自のアイデアがたっぷりと盛り込まれた緊迫感はとってもユニークで、主人公が一歩足を踏み出すだけで刺激的な興味深いスリラーだ。
盲目の少女VS強盗集団。
普通に考えれば少女に分は無いはずだが、 彼女を手助けするのは元軍人FPS凄腕ゲーマー(情報量がすごい)!
ワンアイディアでこんなにもハラハラさせられるなんて。
“盲目だから何も出来るまい”という無意識下の差別と、それを悪用する少女の逞しさが入り乱れる新感覚スリラー!
プロットがもう最高。
ホームインベージョンにまだこんな引き出しがあったとは! この手の作品は星の数ほど作られてきたけど、アイデア次第でまだまだ新鮮な面白さを生み出す事が出来る。その事実に嬉しくなる!
屋内限定スリラーは無限の可能性を秘めている!!